どんな病気?
ポックスウイルスの1種である伝染性軟属腫ウイルスによる感染症で、皮膚に1~5mm程度の丘疹が生じます。
腕、足や体に見られることが多いですが、顔、首、陰部などどこにでも生じます。
病変部に直接触れることで感染する接触感染でうつっていくため、服から出る部位の発疹は、なるべく服や絆創膏で覆って、他の子供への感染を防ぐといった対応が必要です。
診断
表面に光沢があり、中心が凹になっている特徴的な発疹が確認されれば、その見た目から診断がつきます。
左右から押すと、中央から白色の粥状物が排泄されるため、摘除時の所見でも判別が可能です。
治療
自然経過でも数か月から数年かけて治癒します。
そのため、保湿剤でバリア機能を改善させ、皮膚炎があればその治療をしながら経過を見ることが多いです。
トラコーマ鑷子という専用のピンセットでつまんで除去することもありますが、除去する際に痛みがあるため、当院では事前に局所麻酔テープを貼って行っています。
診断
典型的ないぼは、見た目で診断がつきます。
ただし、中にはタコやウオノメ、老人イボと区別がつきにくいものもあります。
その場合は、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡で観察して、いぼの特徴を確認して見分けます。
治療
いぼに対する特効薬は、まだありません。そのため、患者さんごとに治療方法を組み合わせて治療していきます。
代表的な方法は、液体窒素凍結療法、漢方の飲み薬、サリチル酸の塗り薬や貼り薬などです。
当院では液体窒素をスプレーで噴射する「クライオプロ」を使用しています。
綿棒による治療と比べて、痛みが少なく治療効果も高いとされています。また、お子さんにはモノクロル酢酸治療を行うこともあります。